Columns|コラムシリーズ9【結果を求めない生き方】全5回

第4回 落とし穴にはまる理由

前回は「結果を求める落とし穴」についてお話しました。

当たりまぇ〜、の話でしたが今回はその当たりまぇ〜の落とし穴に入ってしまう理由です。


理由には目もくれず結果だけを求めて一喜一憂する落とし穴は、

誰がみてもすぐにわかる落とし穴です。

歩いていると目の前に見えてくる穴と同じです。

見てれば落とし穴が見えるので、そこを避けて通ることはできます。

ではどうしたらそんなわかりやすい穴に落ちるのか。

「見てれば」と言いましたが、

これが「見なくなったら」とか「見えなくなったら」、穴に気づきません。

ずっと上向いて歩いていたら。

ずっと考え事していて何も視界に入らなかったら。

ずっと真っ黒のサングラスをしていたら。

ずっと友達と話すのに夢中で視界に入らなかったら。

こんなような状況が普段あるのです。


たとえば単純であなたにとってつまらない仕事を延々と1時間続けていたとしましょう。

それが終わるのにあと1時間かかります。

その段階であなたの心には「早く終わらないかなぁ」という気持ちが芽生えてきます。

これが「結果をすぐに欲しがる」兆候です。

「あと1時間やれば終われる」ではなく、

「早く終わりたい」という気持ちが出てきたときです。

1日だけの仕事だったらいいですね。

これが1ヶ月、3ヶ月とかかる仕事だったらどうでしょう。

仕事始まる前から「早く終わりたいなぁ」という気持ちになりかねませんね。

早く終わって他のことやりたいなぁ、なんて気持ちになりますね。

気持ちここにあらず、そっぽを向いているような状態です。

これが心のスキをつくります。

単純な仕事でもミスが出始めます。

早く終わりたいのに余計に時間がかかってむしろ遅くなってしまう。


こんな時に他に気になることがたくさんあったらどうでしょう。

他のプロジェクトのこと、お客様のこと、家族のこと、恋人のこと。。。

それらのことに気がいってしまい

この単純かつ長い時間かかる仕事に気が回らない。

他のことに気を取られて目の前の仕事に手がつかなくなってしまいます。


では、もうこの仕事嫌だからさぼろう、としたらどうでしょう。

他の人が代わりにやってくれればいいのですが、

自分しかいない時、結局仕事はたまる一方。

早く終わらせたいのにいつまでたっても終われません。

その仕事から目をそむけてしまう状態です。


実はこのようなことは自分の気持ち一つでいつおきてもおかしくありません。

他の理由で気分が上がらない時、

ストレスを受けつづけた時、

病気の一つでもありますが自律神経に影響があった時、

ちょっとしたことで「早く結果を得て安心したい」という衝動にかられます。

この心のスキが「結果を急ぐ」「結果を求める」バイアスを産むのです。

性質(たち)が悪いのは、これがスパイラル的性質をもっていること。

つまり、一度この流れに入るとどんどん深みに入ってしまうのです。

結果を急ぐことで期待した結果が得られないので、

不安が増加して益々結果を欲しがります。

またうまくいかなくなり、不安がさらに増えます。

こうなるとうまくいかないことを他人や他のできごとのせいにし始めます。

以前別のコラムでもお話しましたが、他責を始めるのです。

他責を始めると、物事の解決は遠のきます。

自分による解決を放棄しているのと同じだからです。


どんどん深みにはまっていくことがおわかりいただけるでしょうか。

簡単なことですし、わかりきったことなのですが、かなり厄介です。

一度このスパイラルに入ったら抜けられないのでしょうか。

いえいえ、そんなことはありません。



次回は陥った落とし穴から抜ける方法についてお話します。



第3回「結果を求める落とし穴」

第5回「落とし穴から抜け出る方法」

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