Columns|コラム【自立】全5回

第3回 “依存しない”という考え方

前回は私が従来思っていた「自立感」について

お話しました。


以前このコラムの一つ「パズルとピース」で、

「会社に依存しない生き方」という

後輩からの年賀状をもらったことに触れました。

会社に雇われていること、

という状況を初めて客観的に見つめるきっかけだったと思います。

自分の能力、時間を会社に提供し、

ある成果をコミットすることで

報酬を会社から受け取る、という関係性が、

被雇用者の自分と雇用者の会社との関係です。

そして自分はその報酬によって生計をたてています。

言い方を変えると報酬がないと

生計が成り立たなくなり、

生命を継続できない恐れが発生します。


本能的にもこの状況は受け入れがたいものであり、

ここに会社へ従属的立場にいる感覚に

自分が支配されることになります。

意識的または無意識的に。


年賀状をくれた後輩の意図は、

会社に従属的であると、

思い切った言動をとることが難しくなってしまう

という状況から脱却することにありました。

その言動がたとえ会社のためと思っていても

会社が受け入れてくれないと

自分への報酬が途絶える恐れがあります。

それでも構わない、という覚悟を持って

業務に臨みたい、

そんな真摯な思いだったと説明してくれました。


私もそれは理解できました。

しかしこの思いはその後私を退職して独立する方向へ

後押ししていくことになります。


私はこの年賀状をきっかけに、

初めて自分の生活が会社に大きく依存していることに気づきました。

会社からの収入がないと生きていけない状況。

生活の基盤を抑えられている限り従属した関係。


そしてその数年後に起きた東日本大震災。

生死の境がわからなくなってしまい、

自分を無理やり納得させた

「たまたま自分は生をいただいた」という結論。


一生に一度しかない人生で

自分の時間をどう使っていきたいのか、

ということを考えるようになりました。

その結果「会社に依存しない生き方」の選択肢として

退職して起業するという道を選びました。

会社の早期退職制度を活用することで

経済的な道筋が見えたことも

大きな後押しになりました。


私の「自立」の中に初めて「依存しない」という思いが

主軸として現れたかもしれません。





「第2回 自分が思っていた自立」

「第4回 自責と他責」

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