Columns|コラムシリーズ7【自分で事業を立ち上げたい人へ】全9回

第6回 開業の手続

 前回は「個人事業主か法人格か」というお話をしました。

 今回は「開業の手続」特に「株式会社の開業」についてお話します。


 「どうやって開業できるんだろう」・・・

 私自身も立ち上げ前ものすごく不安でした。

知らないがゆえに不安にかられてしまうのですね。

やってみるとあっけないくらい手続自体は簡単です。

法的手続という観点では

・ 社印を作る

・ 定款を作成し公証役場で認証してもらう

・ 出資者の1人の預金口座に出資金を入金する

・ 法務局に必要書類を提出する

これでおしまいです(^^)

 あれ?とお思いでしょう。

でも実際にこんなものなんです。

とはいうものの、本当に実際にこれだけやればいいの?という不安は拭えません。

 ということでここではもう少し地に足着いた感じでやることをお話したいと思います。


1. 会社名、ロゴを決める

ここは大事です。「名は体を表す」といいます。

実は一番大変かもしれません(^^)

同じ地区に同業で同じ会社名は認められないので、

一度管轄の法務局にいって、同じ会社名が存在しないかを確認することをおすすめします。

この時に「会社ロゴ」が必要なら一緒に作成するといいでしょう。

私はクラウドソーシングを使ってロゴデザインを公募しました。

2. 会社の所在地を決める

名前が決まったら本社の所在地です。

自分が主として活動するところを本社とすることが望ましいですが、

今は登記可能なコワーキングスペースもありますので、そこを本社登記する手段もあります。

固定電話については「不要」という人もいます。

スマフォがこれだけ発達してきているので実際は不要だと思いますが、

法人口座を作る際にひっかかる可能性がある、かもしれません。

私は1回線ひきました。

3. 社印を作る

今はネットで安く作れますね。

「本社実印」「銀行届印」「角印」の3種セットが一般的です。

実際これで事足ります。

私はせっかくなので手彫りでちょっと材質にこだわりました。

4. 定款を作成する

自分の会社がどういう会社かを言語化して文章にまとめる作業です。

いろいろなテンプレートがネットから拾えます。

公証役場もたくさんのテンプレートを用意してくれていますのでこれらを参照して作成するといいでしょう。

なお事業目的はできるだけ幅広く網羅しておくといいと言われます。

やっているうちに事業が広がったり変化したりするからですね。

5. 認証にかかる費用を用意して定款を公証役場で認証してもらう

9万円ほど現金が必要になりますが、電子定款の場合は印紙代の4万円を節約できます。

私はペーパーで作成しましたが公証役場に相談するといいでしょう。

6. 預金口座に資本金を入金する

ちゃんと資本金を用意している、という証明になります。

通帳のコピーをとっておきましょう。

7. 法務局に提出する書類を作成する

これもネットにたくさん紹介されています。

用紙自体は法務局のホームページからダウンロードできます。

株式会社設立登記申請書

認証された定款

発起人の決定書

取締役の就任承諾書

取締役全員の印鑑証明書

払込を証する書面

印鑑届書

わからなくなったら法務局に聞いてみましょう(^^)

最近お役所はとても丁寧に対応してくれるところが増えました(^^)

8. 登録税を用意して法務局に提出する

そして法務局へ。受領してくれたら1〜2週間で登記されます。

書類不備があったりしたら少し早めに連絡してくれます。

気をつけるのは登記された、という連絡がないことです(^^)

頃合いを見計らって法務局で確認してください。

9. 登記されたことを確認したら印鑑証明をとる

法人の印鑑証明書と履歴事項全部証明書をとっておきましょう。

法人用の口座を開設する際に必要です。

10. 法人口座を開設する

銀行に行って法人の口座を開設します。

人によってはメガバンクの開設に難儀した、という話を聞きますが、

私はすんなり開設ができました。

違いについては定かではないのですが、

企業勤務時代に給与振込口座だったこと、住宅ローンを2回組んで支払いに滞りがなかったこと、

現在も個人口座をもっていること、などがプラスの要因になったのかも、と想定しています。

11. 社会保険の手続をする

株式会社は強制適用です。

しかも事実発生から5日以内に提出する必要があります。

事業所の所在地を管轄している年金事務所にいって聞いてくるといいでしょう。

健康保険・厚生年金保険 新規適用届

健康保険・厚生年金保険 被保険者資格取得届

健康保険被扶養者(異動)届

これらが必要になりますがネットからダウンロードできます。

口座振替の場合「保険料口座振替納付申出書」を管轄の年金事務所に提出するのですが、

この用紙は年金事務所でないと受け取れませんのでご注意ください。

 とりあえずここまで来ると法人としての体をなします。

 最近はスタートアップを支援するための税理士さんや弁護士さん、社労士さんなどがいらっしゃいます。

そういう方たちにどんどん相談しながら進めてみてください。



次回は開業後の話です。



「第5回 個人事業か法人格か」

「第7回 開業後」

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