Columns|コラムシリーズ8【事業計画の初歩の初歩】全7回

第2回 計画書の構成

 前回は「事業計画とは」についてお話しました。

今回は「計画書の構成」についてお話したいと思います。


 計画書は大雑把に言うと

・ 狙いまたは目標

・ 施策内容

・ P/L(損益計算書:だいたい営業利益まで)

・ C/F(キャッシュフロー)

で構成されます。

だいたい法人の場合、会計年度は1年間で規定されることが多いので、

ここでも1年間の活動という前提にします。

 狙いを定めて、その狙いを実現するための具体的な活動内容を定め、

その結果どんなP/L、C/Fになるかと計算します。

1回の検証でこれがピタリとくることはまずないです。

「あれ?全然利益が足りない」とか「売上が達成できない」とか、

定めた狙いに届かないことがあります。

となるともっと前提条件を厳しくするとか、

活動を増やすとか、中身を変えるとか、

「施策内容」をまた見直します。

時には定めた狙いが現実離れしている可能性もあり、

そこから見直すこともあるでしょう。

 逆に簡単に目標達成が実現できそうな場合、

自分の事業としてそれでいいのか、

という自問自答があります。

目標が低すぎる?いやいやこれでいい?

 ではそれぞれ見ていきましょう。


【狙いまたは目標】

 1年間活動してどうありたいかを自分で定めるところです。

自分の意思が最も反映されるところですので、じ〜っくり考えましょう。

 オペレーションの視点でいけば、

「事業を開始する」とか

「売上をこれくらいの規模にする」とか

「利益をこのレベルまで実現する」

「固定客をこれくらい確保したい」といったことが指標になります。

 まだ売買の段階でない場合、立ち上げ環境を整える、というのも大切なステップです。

「資金をどれくらい集めるか」

「メンバーをこれくらいまで集める」

「設備をここまで整える」

こういったことも目標になるでしょう。

 私の場合、「シェアハウスの管理運営」という事業をするにあたり、

・ 1年目はまず1棟の運営を開始する

・ 2年目は複数棟の運営を行う

・ 3年目は違うコンセプトを開発する

・ 4年目以降に新規事業を立ち上げる

といった目標をたてました。

漠然ですけど最初はこんなもんでいいと思います。


【施策内容】

 目標をたてたらそれを実現するための行動計画です。

どんな行動をとっていくのか具体的であればあるほどいいです。

 たとえば「売上を◯◯まであげたい」という目標を立てたとします。

売上は「単価x個数」ですから、単価と個数の前提を設定することです。

目標を「売上100万円達成」と設定したとしましょう。

提供するサービスは競合や市場を調査すると10,000円が競争力ありそうだとします。

ここで単価の前提を10,000円とします。

目標を達成するには100単位販売する必要があることがわかりますね。

 すると次は100単位販売するための施策を考えます。

販売だから誰が(あるいは何が)販売するのか。

自分が直接販売するのであれば何単位売れそうか。

ネットを使って何単位売れそうか。

 事業経験があれば、それぞれの販売チャンネルで

どれくらい販売できるのかある程度予測をつけられます。

この顧客ならこれくらい買ってくれそうだ、とか、

新規顧客はこれくらい増えそうだ、といったように。

 ところが事業始めたばかりのときはそうはいきません(^^) 

経験値がないので「これくらい」という感覚がないからです。

 私も正直わかりませんでした。

私の場合設定する前提は「物件の調達」「集客」という2つの面で施策、前提が必要でした。

物件調達についておいた前提は

・ 物件は建築事務所から紹介してもらう

・ 部屋数、平均賃料、平均入居率

でした。どれも経験がないので根拠が乏しいです(^^)

 集客の前提は

・ Facebookで広告をうつ

・ Facebookでつながっている人に紹介してもらう

・ ビジネススクールの学生にアプローチする

というごくごく曖昧なものでした。

でもいいのです。

完璧でなくてもまず前提条件を設定することが大切です。


【P/L】

 そして数値化します。

損益計算書をP/Lとよくいいます。

簡単にいえば、どれだけ売り上げてどれだけ経費をかけて、

どれだけ利益がでたか、を表しているものです。

売上—経費(変動費)—経費(固定費)=営業利益

これが簡単な図式です。

簿記やアカウンティングを勉強した方はおなじみだと思いますが、

実はビジネススクールの学生でもこのあたりが苦手という人は少なくないようです。



次回からこのP/Lの中身について私の事例を交えて紹介していきたいと思います。



「第1回 事業計画とは」

「第3回 売上」

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