Columns|コラムシリーズ9【結果を求めない生き方】全5回

第3回 結果を求める落とし穴

前回は「結果」を得るには「プロセス」抜きに語れない、そんなお話をさせていただきました。

でも人は誰しもすぐに「結果」を求めたくなるもの。

目の前に生卵があると、すぐに「美味しい半熟の目玉焼き」が欲しくなってしまう。

事業を初めて「売上1,000万円」がすぐに欲しくなってしまう。

私の事業だったら「入居していただくこと」をすぐに求めてしまうようなもの。


売上が欲しいから、といっていきなりお客様に「これ買って」といっても、

お客様はすぐに買ってくれるわけではありません。

どうしたらお客様は自分が提供するサービスを買ってくれるでしょうか。

お客様が「買ってもいいな」と思うことが必要です。

まだ買いたい、と思っていない人に

「買ってもいいな」と思っていただく過程、

それが「プロセス」です。


私の事業を例にしましょう。

シェアハウスの運営にとって、入居していただくのが「結果」の一つです。

入居していただくだけでなく、長く住んでいただくのも「結果」の一つですが、

ここでは前者に限定しましょう。

「結果」のみに目が行くと、入居が進まない時に

「なんで入居が進まないんだ」と不安が生まれてきます。

さらにひどくなると「なんでこんないい物件なのに入居しないんだ」と

お手上げ状態になってしまいます。

そうです、もうおわかりだと思いますが本来目を向けるべきは「結果」ではなく「原因」ですね。

・家賃が相場よりも割高かもしれない

・部屋が狭いからかもしれない

・共有部に清潔感がないからかもしれない

・初期費用が高いからかもしれない

・よく知られていないからかもしれない

このようになぜお客様が入居に踏み切れないのか、

その理由に目を向けることが問題解決の第一歩であることは明白です。

明らかな理由が判明していれば別ですが、

そうでない場合は地道に一つ一つ仮説を検証していくのが正攻法です。

・家賃相場:では近隣の相場を調べてみよう

・部屋の広さ:では近隣の物件を調べてみよう

・共有部の清潔さ:念入りに清掃をしてみよう

・初期費用:近隣の物件の状況を調べてみよう

・認知度:今の広告を確認してみよう

こんな具合に、それぞれの仮説に対して検証する行動が自然と取れれば問題はありません。

ただ、こういう行動を起こす前に

「きっと◯◯が理由だからだめなんだ。あ〜〜」と

頭を抱えてしまうというケース、意外と少なくない気がします。

「結果」にとらわれているとありがちです。


ちょっと毛色をかえて恋愛を例にとりましょう。

素敵な異性がいるのですがどうも自分にはつれない。

そんな時どう思いますか。

「なぜ私を気に入ってくれないのか」

と「結果にとらわれている」か「原因を考える」か・・・

同じ文言ですが、言い方で断然意味はかわります。


「結果にとらわれている」タイプの人。

理由がどうのこうのではなく、ただ不満の感情が出て来る人。

「私がこんなに気に入っているんだから相手も当然気に入ってくれるだろう」

極端になると、ストーカーなどはこういうタイプかもしれません。

「今まで気に入ってくれていたのに最近つれないよな」

と近日の変化に対して不満感情が先に出てくる人。

こんな人も同類のタイプかもしれません。

共通しているのは「自分に気がない」という素振りに対して、

不満の感情に自分がとらわれていることです。

「相手が自分を気に入る」という「結果」のみにこだわっているので、

その期待と現実のギャップに目がいかないのです。


一方「原因を考える」タイプの人。

「まだよく私のことをわかってもらえていないのかな」

「私はいいと思っても相手には魅力ではないのかな」

「すでに誰かいるのかな」

などなど、ちょっと暗くなりますが(笑)

なんかしら理由や背景があるだろうからそれを知りたい、

理解したいと思える人です。

とはいえ、これらが「仮説」程度でおさまってくれればいいですが、

妄想となって「きっと自分のことが嫌いなんだ」なんて思い込んでしまうのは

先の「結果にとらわれている」ことの裏返しです。

「結果にとらわれて」いてその現実をうけいれられないので、

何かしらの理由をあてがって自分が傷つくことを防ぐ自己防衛行動の一つと思っています。

要は冷静に現象と向き合っているか、ということです。


どれも「言われなくたって当たり前」かもしれません。

でもふとしたことで「結果」にこだわってしまう行動をとってしまうものです。

それも日常起こりうる事です。

まさに「結果を求める落とし穴」に陥ってしまうことなのです。



次回はなぜこんなわかりやすい落とし穴に陥るのか、お話したいと思います。



第2回「結果が生まれるまで」

第4回「落とし穴にはまる理由」

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