Columns|コラムシリーズ10【ものづくりに見る価値の創造】全10回

第2回 ものづくりにおける役割

前回は“ものづくり”を通じて「価値を産む」とは「変化をもたらすこと」というお話をさせていただきました。


今回から具体的な“ものづくり”の流れについてお話していきたいと思います。まずはものづくりにはどんな役割があるのか、全体像をみてみたいと思います。

ものづくりの基本は「商品を決めて材料を調達して加工して販売する」です。

これを分解して、役割ごとに部署にすると以下のようになります。

1) 商品を決める:設計

2) 材料を調達する:資材または調達

3) 加工する:製造

4) 販売する:販売または営業

これが“ものづくり”をする組織の骨格です。

この骨格を元に“ものづくり”の流れと役割を担う組織を順に並べると以下のようになります。


基礎研究:世の中にない技術の種を発見あるいは創造する

開発:技術の種を形にして機能を実現する

設計:商品としての仕様を決める

資材:材料の調達先を決める

製造:商品を作り出荷する

販売:商品を売って売上金を回収する


さらにこれらの部署を支える役割が以下のようにあります。

管理:事業計画の進捗管理

経理:入金・出金処理

物流:材料、商品の入庫・出荷・在庫管理

品質保証:商品の品質を保証する仕組み作り

カスタマーサポート:顧客からの問合せ窓口及び対応

商品管理:商品を構成する部品や図面を管理

総務:事業活動環境整備

人事:採用・労務管理

広報:情報発信、広告・宣伝

法務:法令遵守

経営ボード:事業を司るメンバーの集まり


この中でも「製造」と「販売」は“直接”商品を作り販売しお金を産むので「直接部門」と呼ばれることがあります。

それ以外の部署は「直接部門」に対して「間接部門」と呼ばれることが多いです。たくさんの役割がありますね。


PLの項目で関連する部署をあてはめると以下のようになります。

 売上—販売

 売上原価—製造

 販売及び一般管理費

 開発研究費—基礎研究、開発、場合によって設計

 人件費—製造以外の部署

 その他経費—製造以外の部署

利益=売上—売上原価—販売及び一般管理費ですから利益を増やしたい時は

・販売がもっとたくさん売って

・製造にかかる商品単位あたりの費用を下げて

・他の部署にかかる商品単位あたりの費用を下げる

ことが求められます。これが“ものづくり”を事業として進めていくための組織と方針です。



次回からそれぞれの役割をもう少し詳しくご紹介します。

第1回「価値の源泉」

第3回「それぞれの役割〜基礎研究と開発」

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